- 作者: ロバート・ブルナー,ジョン・カー,雨宮寛,今井章子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/08/26
- メディア: 単行本
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本書も近所の図書館で見つけた。
昨今の株価乱高下についてしっかりとした指針が欲しいなと思い、過去の恐慌について学ぶことにした。
本書の前半は1907年の金融恐慌の一連の流れについて記述されている。固有名詞が多く、おっかけるのが大変だったので、斜め読みしてしまった。
見所は後半の「教訓」である。この「教訓」についてまとめていく。
とは言うものの、1907年の恐慌がどういったものであったのかについてまずは整理する。
・1907年の恐慌の影響(p233)
一九〇七年の恐慌と暴落に至る金融危機は、株価が一九〇六年九月にピークを迎えてから翌年一一月に底を打つまで一五ヶ月続いた。この間、米国の全上場企業の時価総額は三七パーセント下落(中略)
中でも最も下落が激しい時期に、一〇〜一一月の銀行危機が重なったことで、少なくとも二五の銀行と一七の信託会社が経営破たんに陥った。
・金融機関の連鎖(p237 図7)
中心的プレイヤー(ニューヨーク)
↓
関連があった金融機関(ニューヨーク)
↓
関連がなかった金融期間(ニューヨーク)
↓
関連がなかった金融機関(遠隔地)
上記のように水辺の波紋のように中心から遠隔へ破たんの連鎖が広がってしまった。この原因は、
- 株式を担保とした借り貸しが金融機関の間で行われていたこと
- 投資家でない一般市民の不安心理が拡大したこと
である。なるほど、中国も「1」はわからないが、「2」は多いにありそうだ。
さて、「金融危機のきっかけ、フィードバック、主な役者たちの姿」を以下の六つの要因で述べている。これについては長くなりそうなので、ここでは項目を箇条書きするにとどめ、別記事とする。
- 急速な経済成長
- 不十分な資本バッファー
- 危機をあおるリーダー
- 実体経済の危機
- 過度の恐怖、拝金主義、その他極端な行動
- 集団的行動の失敗