元ITインフラ系エンジニアの日記

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金融危機のきっかけ_急速な経済成長

本記事は、『ザ・パニック』の「教訓」に記載されている「急速な経済成長」について整理したものだ。

 

大規模な金融恐慌は、経済が急成長した直後におこっている。急速な経済成長は資金需要を増大させ、やがて金融システムに流動性の普段を強いていく。

 

1929年の危機を経て、ケインズシュンペーターはそれぞれ以下のように分析した。

 

ケインズ:需要の冷え込み(供給>需要)が不況の原因

消費と投資の相互作用が景気循環を起こす。企業による投資活動が消費活動を上回る(有効需要の不足)。すると、企業は投資と雇用を減らし、投資家も現預金を選ぶ。

また、これが消費減退を招き、投資と雇用の減衰を引き起こす。

景気循環が底打ちしたときに、政府が自由に財政支出して景気循環で生じたリスクを社会全体で負担することを主張した。

 

シュンペーター事業の失敗(古い事業の廃止)が不況の原因

投資機会が景気循環の原動力になると考えた。古い物やサービスが新しい物・サービスに刷新されていく(創造的破壊)。

家計はローン返済で消費に回す余裕がなくなり、企業は在庫を処分し、事業縮小する。投資家も手を引く。不況はこうした事業の失敗を一掃する好機でもあり、次の景気回復に向けた基礎固めをする時期である。

 

【私の見解】

人は経済が成長している時は永遠に成長すると勘違いし、逆に衰退してくると永遠に衰退すると勘違いしてしまう。

急速な経済成長が起きるとこれがより劇的に発生してしまうのだろう。

 

急激なベンチャー企業がIPOするとものすごい高値が付けられ、一旦売上が落ちると目も当てられないような安値になってしまうようなものだ。

 

これが一社だけならまだしも、経済全体となると、普段投資をしていない人にも大きく影響する。そして人々はパニックになり、銀行で取り付け騒ぎが起き、これをメディアが煽り…といった具合になるのだろう。

 

急速な経済成長は人々に良い影響ももたらす。焼け野原が高層ビル郡となり、三食満足に食べることができるようになったりする。しかし、成長のペースが鈍化することは避けられない。これを如何に緩やかに、しかし、マイナス成長にならないようにするのか、これをよく考えなければならない。

 

その答えはマクロ経済学にあるのだろう。最近紙面を騒がせる米国の利上げもその一つだ。