本記事は、『ザ・パニック』の「教訓」に記載されている「不十分な資本バッファー」について整理したものだ。
前回見た景気循環は信用循環を伴い、これが経済不況の主因となる。
・信用循環
信用拡大
↓
何らかのショック
↓
信用収縮
・対策(ミンスキーの主張)
信用収縮期には政府による積極的な貸し出しを行う一方、信用拡大期には銀行による融資基準により厳しい規制を設ける。
それでも、
金融市場の透明性が低い場合や、規制・監督体制が未整備の場合、あるいは、融資が、会計基準が弱いために将来のキャッシュフローではなく、担保に応じて行われるような場合
(p248)
に、金融恐慌がおこるという指摘もある。
【私の見解】
経済成長をしている時は将来の儲けをあまり考えず、イケイケどんどんで審査の甘い融資をしてしまったり、不動産などの担保(地価は景気によって上下するため、これだけをあてにしては危険)に頼って回収計画を適当に作成してしまうことがあるのだろう。
冷静なとき、不況時に見ると当たり前のことのように思えるが、当事者となるとそうは思えないのだろう。実際、バブル崩壊前は借金をして信用取り引きをしている人が多く、彼らは自宅や他の株を担保に借金をしていた。