元ITインフラ系エンジニアの日記

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金融危機のきっかけ_その他

本記事は、『ザ・パニック』の「教訓」に記載されている「実体経済の危機」「過度の恐怖、拝金主義、その他極端な行動」「集団的行動の失敗」について整理したものだ。

 

「過度の恐怖」

金融危機の口火をきったショックが備えている要因として、以下の四点が挙げられる。

  • 表層的でなくリアルであること
  • 巨大かつ巨額であること
  • 明白であること
  • 意外性であること

これらの要因を備えているため、投資をしていない人でも身近に危機を感じる。その結果、次の挙げるような「過度の恐怖、拝金主義、その他極端な行動」を多くの人がとってしまう。

 

「過度の恐怖、拝金主義、その他極端な行動」

人々の感情、また、これに基づく行動も危機の発生とその深刻さに大きく影響した。長期的には平均的で合理的な売買がなされていく。しかし、大暴落や恐慌時にはこのような平均的状態は存在しない。

 

たとえば、石油ショックの際にトイレットペーパーを買い占めに走ったり、東日本大震災の際にスーパーへ買い占めにいったりするといった行動をとってしまう。

証券の現金化、金・債券価格の高騰、西日本への移住なども挙げられよう。

 

「集団的行動の失敗」

囚人のジレンマ

  投資家B
Hold Sell
投資家A
Hold win-win lose-win
Sell win-lose lose-lose

 

上の図のでは投資家Aと投資家Bが有価証券を持ち続ける(Hold)か売る(Sell)かのどちらかの行動をとるものとし、その組み合わせによってどのような結果がそれぞれにおこるかを整理している。

 

  1. Hold-Hold                 :どちらも損をしない。
  2. Hols-Sell      :Holdした方が損をする。
  3. Sell-Sell                    :どちらも損をする。

このような場合、合理的に考えれば「1.」となる。しかし、先に挙げた「過度の恐怖」などによって、先に売り抜けようと行動する。つまり、「2.」を狙って多くの投資家が「売り」に入り、結果として「3.」という誰も得をしない結果になる。

 

【私の見解】

人は上手くいっているときはバラ色の未来を、上手くいっていないときは灰色の未来を思い浮かべる。そして、冷静かつ合理的に考えればとらないような行動を「感情」によって採用してしまう。

特に株価がさがっているような状況では恐怖が恐怖を呼び、混乱が混乱を招くことを知っているはずなのに、同じ行動をしてしまう。

 

これを回避するにはどうすれば良いか。個人投資家は幸か不幸か自分以外に責任を負わなくて良い。

機関投資家は運用目論み書や個人投資家の要請によって「売らなければならない」状況でも、個人投資家はじっと持ち続けることが可能なのだ。

そうすると、囚人のジレンマでは「2.」となり、個人投資家は損をすることになるが、実はこれ以外にも個人投資家は「買い」を行うことができる。

 

別の言い方をすると「仕込む」ことができるということだ。混乱時にはなんの問題もない銘柄が安値になることがある。私たち個人投資家はナイフが落ちきったのを確認してからゆっくりとナイフを拾えば良いのである。

 

焦る必要は無い。焦りは損を生む。これを自分に言い聞かせて今後の投資を行ってゆきたい。