前回はCCNAで重点的に学習すべき項目について書いた。今回はCCNPについて書いていく。
前回の記事は以下になる。
また、CCNPで重点的に学習すべき項目は以下の通りだ。
【CCNP】
>TSHOOT
- HSRP
- ルート再配布
>Route
- BGPの基礎理論
- ルート再配布
- OSPF
- EIGRP
>Switch
- VLAN間ルーティング
- VTP
- STP(特にBPDU)
CCNPは三科目あり、私が合格してから試験バージョンが変更となった為、あまり参考にならないかもしれないことを断っておく。
会社の先輩とCCNPについて話したとき、Route->Switch->TSHOOTの順番で取得したと言われたが、私のおすすめはTSHOOT->Route->Switchだ。
TSHOOTを学ぶとRouteとSwitchの両方の分野を学ぶ事になり、時間が節約できる。また、間違った設定を修正するということから、「なぜ動かないのか」「正しい設定は何か」という視点を持つ事ができ、結果として理論や設定内容を理解しやすくなる。
TSHOOTにおける裏技的なことを一つ書いておく。
テストでは同じ環境で複数の設定修正を求められる。これは一問目でHSRPだと二問目はVLAN-Trunkだったりする。
一問目はHSRP以外の設定は正しいので、一問目でshow run やshow vlan といったコマンドを投入しておけば二問目に入ったときに…ということだ。
※新バージョンになって修正されているかもしれない。
さて、RouteについてはBGPとルート再配布に特に注意が必要だ。これらはISPやその関係企業、全国支店があったり、グローバル企業に務めているのであれば経験できるだろうが、一般企業では扱う機会が少なく、特にBGPについては実機で試す環境を整えるのが難しい。
しかしBGPの基本的な考え方は難しくない。平たく言うと、
インターネット上ではルーティングテーブルが肥大化するので、ASで区切って境界にあるルーターに渡しておきましょう
というものだ。
ルート再配布については企業合併や支店接続などの機会があれば経験できるだろうが、なかなか実際に経験するのは難しい。私も経験がない。
OSPFで収集されたルーティングテーブルをEIGRPが動作しているネットワークへ再配布するというものだ。これについてはNAT・アクセスリストと同様に、どちらから配布するのか、という視点に注意が必要だ。
設問をよく読まないと逆方向に配布する事となり、通信できても不合格、という事になりかねない。
OSPFとEIGRPについては基礎理論の理解だけではなく、OSPFルーターやLSA、エリアの概念と役割について整理できていなければならない。ただ設定できれば良い、というわけではないので注意が必要だ。
SwitchについてはVLAN間ルーティングがまずは重要となる。TrunkVLANは島ハブやフロア間のスイッチによく設定する。普通の企業で使う分にはTrunkの設定を固定にしておけば良いが、CCNPではTrunkのencapsulationの設定をネゴシエーションさせたりする。
VTPについてはサーバーとクライアント、そして転送の役割について整理するとともに、どういう設定をスイッチにするのか、設定を間違えるとどうなるのか、といった点に注意が必要だ。
STPについては特にBPDUを流すタイミングやBPDUを流すポート、流さないポート、ガードするポートについて理解しておく必要があり、この点を抑えておくと高得点が望めるだろう。
CCNPレベルになると実機での検証が難しいことがある。特にルート再配布については3台ルーターを用意しなければならないし、OSバージョンによっては設定できない事もある。以前の記事で実機を使ってがんがん検証する事を推奨していたが、CCNPでは紙に書いたり、GNS3を利用するなど、工夫が求められる。
一方、CCNAをきちんと理解して合格していれば苦戦する事無くあっさりと合格してしまうかもしれない。