印象
テレビを見るのは正月か夏休みに実家で見るくらいなのでショーン某という人のことはあまり知らなかった。先日、職場の先輩(女性)が「見た目と英語ができればテレビに出て金稼げるんだ」と言っていたのを最初は何のことかわからなかった。ネットで検索するとコメンテーターが経歴を詐称しており、それがセンテンススプリングによって暴露され、コメンテーターは全番組の出演を自粛する運びとなったことがわかった。
これはネットでは叩かれまくっているだろうなと思い、Twitterや様々なブログを見ると彼を擁護する人が一定数いることがわかった。擁護派の言い分としては、
- 仕事は素晴らしいんだから学歴作業くらいで騒ぐな
というものが一番多かったような印象だ。彼の仕事ぶりについては全く知らないが、バラエティ番組や報道番組など幅広い番組に出演していたのだからかなり仕事はできる人なのだろう。しかし、この仕事ぶりに関しても、
- 当たり障りの無いことをそれらしく言っているだけ
という意見もあり、実際のところは番組制作サイドは
- イケメンで女性視聴率が取れる
- 過激な意見を言わないのでクレームがなさそう
という「無難さ」を買ったのだろう。これはこれで何の問題も無い。平日昼間のワイドショー、報道ワイドショーやバラエティなど、議論を盛り上げて視聴者へ問題提起するような番組でもなければ、無難な選択で、妥当な判断だろう。
擁護派に抱くモヤッとした感情
彼はおそらく優秀だったのだろう。しかし、経歴詐称はいけない。この一点だけは弁明の余地はない。
経営コンサルタントに限らず、テレビのコメンテーターに限らず、「信用」を商売にしている人は「嘘」をついてはいけない。なぜなら、一人の嘘は同じ職業の人全体への不信へつながるからだ。
ただでさえ巷では、コンサルタントほど胡散臭い者はない、と半分冗談半分本気で言われている。コンサルタント業界にとっては、彼が自営業だったことは不幸中の幸いだっただろう。彼が例えば某大手外資系コンサルに所属していたのであれば、これはもう大問題だったろう(社員だったら入社前にバレて逆に詐称できないだろうけど…)。
そして彼を擁護する人に対してモヤッとした感情を抱く。彼を擁護する人を見てみると、芸能人であったりテレビに関係する仕事をしている人が多い印象だ。きっと彼は「良い人」なのだろう。仕事もできることは確かなのだろう。結局は彼らの身内だから、よく(?)知っている人だからかばうのだ。
これが政治家で、詐称した政治家Aを「Aさんはこんなに立派な法案を通したんですよ」とかばう政治家Bがいたら「Bさんはなんて義に厚い人なんだ(感涙」なんてことになるだろうか。
泣いて馬謖を切れない
テレビも身内に甘い(政治家も身内に甘い)。甘いくせに外様は厳しく追求する。だから私はテレビが嫌いだ。
ショーン某については、すでに出演自粛・謝罪という対応をしているので、これ以上追求する必要は無い。だが、決して彼を擁護することもない。嘘を嘘と見抜かせないくらいの実力を持っているのであればきっとまたテレビの世界に戻って来れるだろう。
戻ってきたところで、マイナスがゼロに戻るだけで偉いとも何とも思わないが。