ルール1:絶対に損をするな。ルール2:絶対にルール1を忘れるな。
投資家なら誰しも知っている、ウォーレンバフェットの言葉だ。
書いてあることはいたってシンプルだが、これを実践するのはとても難しい。投資を始めた最初の理由は「金を儲けたい」だったはずなのに、いつのまにかこれを忘れてしまう人がいる。
特に大きな含み損をかかえている時ほど、忘れてしまう。
- 損を確定して惨めな気持ちになりたくない
- 夫/妻にバレたくない
- twitterにいるあの人よりも良いパフォーマンスを出したい
- 誰かを見返したい
などなど、「損を回避する」ということを忘れ、「プライド」や「世間体」といった他のことを優先してしまっている。
ルール1の「絶対に損をするな」とは、損切りをするなということではなく、「トータルで損をするな」ということだと私は思う。
損切りを躊躇したら、自分はこのルール1を守れているだろうか、何か別のものを優先してしまっているのではないか、と考えるようにしている。
祈るようになったら人間も終わりって話だ……!
福本伸行氏の『賭博黙示録カイジ』に登場する兵藤会長のセリフだ。
FXや株の信用取引きで退場していく人たちの断末魔をネットでは嫌という程、見ることができる。このブログでもかつて「マルサのブログ - 金の亡者を辱め」を紹介した。
最近、「勝つ投資家.com」というサイトを見つけた。
これらの断末魔を見ていると、いくつかの共通点が浮かんでくる。
- 祈っている:「もしかしたら」「きっと」「XXするはず」「早くXXしろ!」
- やけになる:「死なばもろ共」「とことん」「これが本当に最後です」
- 借金をする:「実家・夫・妻・友人から借りた」「カードローン」
- 命金を使う:「住宅ローン用の資金」「結婚資金」「子供の学資保険」
そして証拠金が足りなくなって追証、強制ロスカットされるまで、ポジションを解消できない。
これらの行動の裏には、「損をしたくない」という心理があるのだが、もっと深いところには別の感情があると推察される。それは上述したものだろう。
相場で祈りは無力だ。祈る暇があったら、さっさとその「船から飛び降りる(『マネーの公理』)」ことだ。
損切りができないと、お金を失う。が、別の何かを得ることはできる。たとえば
- 悲劇のヒロインになれる
- 自分語りのネタができる
といったものだ。断末魔を発した人間の書き込みを見ていると、反省しているふりをしながら、破滅したことを誇っている者がいる。こうならないように、改めて、自分が何を求めて相場に臨んでいるのかを考えなければならない。
私は、お金が欲しい。