そもそも「金利」とはなんだろうか。
コトバンクにか以下のように記載されている。
資金の使用料もしくは賃借料。
銀行預金に金利が付くのは、銀行が預金者のお金を使って他の会社や個人にお金を貸し付けているからだ。 その使用量を預金金利として支払っている。バブルの頃は普通預金で7%近くもあったらしい。それに比べ、いまは0.02%くらいだろうか。
いったいなぜここまで変動するのだろうか。
まず、「金利」には二種類ある。
銀行金利は自由金利と思われているが、かつては日銀が銀行に貸し出す際に設定していた「公定歩合」 を基準に決められていた。現在は完全に自由に金利を設定することができるようになっている。
自由金利は「市場の需給関係で決まる」とされているが、これは現金と債券・預貯金の需給で、以下のように需給が変化する。
自由金利は「景気」の影響を強く受ける(言い換えると、人が現金を保有するか債券・預貯金を保有するかの関係は景気の影響を強く受ける)。整理すると以下のようになる。
- 財・サービスの消費が増え、景気が良くなる。
- 企業の設備投資が活発になり、借り手が増え、金利が上がる。
- 現金が債券に変えられ、財・サービスの消費が減り、景気が悪くなる。
- 企業の設備投資が消極的になる、借り手が減り、金利が下がる。
- 債券が現金に変えられ、財・サービスの消費が増え、景気が良くなる。
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さて、G20の共同声明でも触れられ、年初から話題となっている米国の利上げだが、上の流れを見ると
利上げには景気を悪化、景気の過熱を抑える効果がある
ことがわかる。
また、
- 株安になる。
- 利上げした国の通貨は高くなる。
という効果もある。これらは投資家の視点で考えるとわかりやすい。
まず、株安が進む理由は、投資家は金利が上がると
- 会社の設備投資が減り、事業縮小を予想する。
- 債券の方が株よりもリターンが向上すると予想する。
次に、為替の変動だが、例えば米国が利上げすると日本の投資家は円を売りドルを買うことになる。なぜなら、円で持っているよりもドルで持っていた方が金利が高いからだ。そこで、「1ドル=100円から1ドル=110円」という変動がおこる。
米国の利上げが注目されているのは、米国はまだ対して景気が過熱していないのに景気を悪化させる利上げを行ってしまい、世界中がそれに引っ張られて景気が悪化してしまうことが懸念されているからだ。
他にも金利は様々な経済指標に関わってくるが、それはまた別の機会に記す。