学生の頃から読書が好きだ。
高校、大学は古典や哲学書といった小難しい本をよく読んでいた。内容が面白いことと、何か頭の良いことをしている気になれるので、読んでいた。
容姿・運動神経にコンプレックスがあり、インテリにあこがれていた。
その時ついた習慣はいまだに続いており、仕事に関する専門書・自己啓発・小説・古典は未だに読んでいる。
一昨年、管理職になり何人かの部下を持った。評価面談の際、彼らから今後伸ばしたいスキルや課題認識を聞いたとき、過去に読んだ本の受け売りをしつつ、
「まぁ今言ったことは全部、この本に書いてあるから。気になったら読んでみて」
などと言っている。
もちろん、私が若手だった時分に先輩や師匠から教えてもらったことも伝えている。
管理職になったとき、マネジメントに関する本をいくつか買い、読んだ。転職前の課長やOJT担当の言動、現職の上司の言動の背景・意図・思想を想像できるようになった。
まだ新米管理職なので部下の気持ちがわかる。
「これくらいの説明で大丈夫だろう」
「こんなに言っても伝わらないのか」
「裁量を持たせて成長の機会にしよう」
いろいろな思いを持って、意図をもって日々、指示を出し、相談に乗り、判断を下している。言わなきゃわからない、でも言い過ぎても伝わらない。
自分の言葉でどれだけ説明できているかわからない。名前も忘れた本のどこかのページに書いてあったことを受け売りしているのかもしれない。
でも、それはきっと過去に読んだことが自分の血肉なったのだろう。
部下のキャリア・人生の一端を担っている緊張感と責任感を胸に、今年も評価の時期が来る。