元ITインフラ系エンジニアの日記

元ITインフラ系エンジニアがITのことや投資のこと、コンサルのこと等を綴ります。

名目と実質

経済ニュースを見聞すると「名目」「実質」という接頭語が付いた単語が頻出する。

「2014年の名目GDPの成長率は〜」とか「実質賃金が27ヶ月ぶりにプラスに転じた」などだ。

 

「名目」「実質」の意味は以下の通りだ。

名目:ある経済指標を計測された時点の価格で評価したもの。

実質:「名目〜」を物価水準の変化を考慮して調整したもの。

 

「名目」と「実質」の難しいところは、どちらかだけを取り上げて善し悪しを判断できないところだ。例えば、「実質賃金」がマイナスだったとしても、「名目賃金」がプラスであれば景気は良くなってきていることになる。

 

なぜなら、「名目賃金」とは労働者の額面給与である。これが上がっているということは給与が上がっていることであり、会社が儲かっているということである。会社が儲かっているのに「不景気」とは言わない。その代わり、好景気の時は物価も上がっているので「実質賃金」がマイナスになる。

 

「名目」と「実質」どちらかだけを見るのではなく、両方を見て判断しなければならない。逆に言えば、片方だけを取り上げている経済記事は眉につばをつけて読まなければならない。