2018年2〜3月家計簿
実績
総評
6万3千円の赤字だった。ここまで赤字が続くのはちょっと不味い気がする。昼食をコンビニから弁当に切り替える時期がきたのかもしれない。
昨年と比べると、手取りが減っている。これは残業時間が減っており、税金が上がっていることが原因だ。だらだら会社に残って稼ぐのは性に合わないのでやりたくないが… …。
支出を減らしつつ、収入を増やしていかねば。
売買_3
楽待という不動産投資サイトを運営している企業がYoutubeに興味深い動画を配信している。
特に気に入っているのは、銀行員の覆面座談会だ。
ある行員が動画の中で「不動産投資というのは事業として見ている。」と語り、キャッシュフローがどれだけ続くのか、リスクについてどう考えているのかといった点について何度も言及していた。
話は変わるが、『金持ち父さん、貧乏父さんのキャッシュフロークワドラント』でも、「リスクをどうコントロールするか」「何年で回収するのか」ということについて、行動を起こす前によく考えるように書かれていた。
信用取引をしないと決めている私にとって、エントリーは「買い」だけになる。買うときはすでに「売り」について決めていないといけない。出口を考えずにbuy&holdでのほほんとできたのは、これまでがアベノミクスによる上げ相場だったからだ。決して実力ではない。
弱肉強食の相場の世界で生き抜くためには、
- 買う前に売りのことを決める
- 何年で回収するつもりなのか
- 回収できない見込みが浮上してきたらすぐに逃げる
といったことをきちんと実行できるよう、精神を鍛える必要がある。
会社の文化
私はIT系の会社に勤めている。業界内ではSIerの立場にいる。SIerというと、中抜きして下請けに丸投げ、というイメージを持たれがちだが、実際は機器設定やアプリ開発、ラックマウントからテープバックアップなど手を動かす案件の方が多い。
もちろん、その中で派遣会社から人を派遣してもらうが、案件を丸投げにすることは少ない。
先日、部門で「Ansible」というサーバの自動構成ツールを導入することが決まった。詳細はここでは割愛するが、簡単に言うと複数台のサーバの設定を自動で実行してくれるソフトだ。
仮想サーバなら、テンプレートを作っておいて複製していけば良いのだが、物理サーバではそうはいかない。手作業で設定をするので、時間がかかったり、漏れが発生する。
個人的には、このツールは便利で良いと思う一方、ツール導入と併せて会社の文化を変える必要があると思っている。
弊社の文化を一言で言うと、「レビュー&承認主義」だ。
どんな作業も事前に課長や有識者のレビューを通し、承認を得なければならない。そして作業は2人一組で実施することになっている。作業中はレビューワーがレビュー&承認をしながら進める。
作業時の組み合わせは社員同士でないといけない。作業を派遣が実施し、社員がレビューという体制は、数年前に消えた。
きっかけは、レビューをおざなりにして障害を起こした社員が再発防止策で
「これからは社員と社員で組んで実施します」
という訳のわからん防止策を提出、上層部がそれを承認するというものだ。
レビュー研修なるものも受講させられたが、そこではダブルチェックの重要性が説明されるだけ。
「システムによるチェックの後も、念のため人の目で確認しましょう!」
「レビューのコツは、思い込みをなくすことです!」
なんてことが声高に繰り返されている。
弊社の案件では、たいていのシステムで本番環境と開発環境が構築されている。顧客が開発環境を予算的な問題で構築したがらないときは、スモール版を社内に作ったりしている。
ここまでは良いのだが、問題はこの環境へのアクセスにも2人一組、しかも紙のアクセス管理簿へ課長印を捺印して貰わなければならない。ちょっとした設定の確認(変更の伴わない確認、例えば ps -aef | grep ntp といったコマンドも打つにもこのステップが必要となる)をするだけでもこの手続きをしないと、社内監査で減点される。
さて、こんな環境でAnsibleを入れてどうなるだろうか。まず、Ansibleの設定内容でレビュー&承認を得る。その後、Ansibleの管理サーバへのアクセスで捺印をもらって、設定内容の反映を行うタイミングで人の目でレビューをする… …。
どこかが間違っている。
Ansibleの「べき等性」機能だけはうまく活用できるだろう。が、その他の機能については、それを使うまでにクリアしなければならないステップが変わらないので、生産性向上にはつながらないと思う。
リスクコントロール
未来を予測する目的はリターンの追求というよりは、リスクコントロールの方が重要だ。
長期投資に成功するための道は、やみくもにリスクをとることではなく、リスクをコントロールすることにある。
p121
ではリスクとは何か。投資においては、一般的に使われる「危険」という意味ではなく、変動幅という意味である。このリスクを投資家はどのように測るのだろうか。
第一に、リスクの大きさというのは、見解上の問題にほかならない。
(中略)
第二に、リスクを数値化する基準は存在しない。
(中略)
第三に、リスクとは見た目でわからないものだ。
(中略)
結論を言うと、未来に起こりうるリスクのほとんどは主観的で、見えにくく、定量化できないのである。
p77-78
そして主として投資家が検討するリスクとは、損を出すリスク、下方リスクである。それも自身が購入した時点での価格と比べての下方リスクである。
時流を読むことと本質的価値
2020年のオリンピック後、株価は下がると見ている人がいる。実際に下がるかはわからないが、下がると仮定した場合、株式市場にあったお金はどこにいくのだろうか。ゴールドか、債券か、不動産か、それとも仮想通貨といった新しい市場か。国内か海外かで言えば、どうだろうか。
ここ数日、『投資で一番大切な20の教え』(ハワード・マークス著、貫井佳子訳)を読み返している。この本の中では「本質的価値」という言葉が幾度も出てくる。リスクコントロールには本質的価値を正しく分析することが重要である、とか、本質的価値の評価が低い銘柄を買うべし、といった文脈で繰り返し述べられている。
本質的価値とは会社の稼ぐ力である。稼ぐ力とは、「売上高」「営業CF」といった実績のみならず、「将来性」という不確定なものも含まれる。
売上高、営業CFといった過去の指標は有価証券報告書を見ればわかる。問題は「将来性」、未来だ。未来がどうなるか、誰にもわからない。誰にもわからないが、予想することは出来る。未来の予想について、ハワードマークスはこのように書いている。
第一に、予測は一般的に当たるものなのだろうか。答えは明らかにノーだ。(中略)
第二に、予測に価値はあるのだろうか。予測が最も役立つのは、変化を正しく見込んでいた場合である。(中略)要するに、予測場の変化と実際の変化の間に、あまり相関性はないのだ。
第三に、予測の根拠は何か。大半の予測は既知の出来事を当てはめることによって行われる。
第四に、予測家が正しかったことはあるのか、答えはまちがいなくイエスである。
第五に、予測家の予測が的中する(それも驚異的な精度で)場合があるにもかかわらず、なぜ私は予測について否定的なままなのか。予測は一回だけ当たればよいわけではないからだ。重要なのは、継続的に当たる予測をすることである。
p207-208
世の中に予測家は数多くいる。雑誌に載るような著名なアナリスト、あるいは雑誌そのもの、あるいはTwitterやFacebook、ブログで予測する者もいる。世の中に発信せずとも、頭の中や紙に記している者もいるだろう。私もその一人だ。投資家において、予測しない者がいるだろうか。
予測において重要なことは、「確信する」ことではなく、妥当性であり、その予測が実現する可能性がどの程度あるかという点である。雑誌やTwitter、ブログで見る予測のほとんどは、ある一つの出来事を予測するに終わっている。また、それが起きる可能性については高いか低いかは明言せず、文脈から、筆者が高いと考えているむきを察するのみである。
マクロ経済の未来を予測することは簡単だ。しかし、それを信じたり、「知っている」と称するのは危険だ。予測は予測であり、未来は未確定だ。予測に頼るのではなく、備えることが大切だ。つまりはリスクコントロールだ。
売買_2
「儲けが出るのは買ったときで、売ったときではない」
ロバートキヨサキ(金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント)
株式投資において、損切りは唯一、自分がコントロールできることだ。が、コントロールできるといっても、「完全に」ではない。ストップ安となり、一日中寄り付かないこともある。買い手がいなければ、売ることはできないのだ。
私は信用取引を禁じているので、常に「買い」から入ることになる。すなわち、私の対極には「売り」手がいることになる。彼はなぜ売ったのだろうか。損切りか、急にキャッシュが必要になったのか、デイトレで自分の設定ラインから乖離したからか、理由はわからない。
「買い」の前に私ができることは、
- 定量的な視点で問題はないか
- 定性的な視点で問題はないか
- 成長は何年続くと考えているのか、またその根拠は
- どのタイミングで売るのか
といったことで、これをきちんと明文化しておくことが大事だ。
「定性的な視点」、これはどのように鍛えればよいのだろうか。1000本ノックをするにしても、いったいどこから手をつけたら良いのか。最近読んだこの本では、こう書かれていた。
「数字の背景を考え、取材する」
ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方 (幻冬舎新書)
- 作者: 苦瓜達郎
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「数字の背景」とは売上が伸びた理由、設備投資した理由、といったことだろう。
手探りの状態だが、
- ビジネスモデルの枠組みを学ぶ
- 保有銘柄を定期的に何度も見直す
- 疑問点は言い訳せずにIRに問い合わせをする
といったことを地道にやって行くことが、今の自分に必要だと思う。
売買_1
リンチ基準と勝手に命名しているエントリー基準がある。Webで検索すると、「リンチ指数」という呼んでいるサイトが多かった。計算式はググればすぐに出てくるが、一応書いておく。
(成長率+配当利回り)÷PER
同じような式で、PEGレシオという指標がある。こちらの計算式は以下の通り。
PER÷成長率
検索してたどり着いたサイトでは、「どちらもほぼ一緒で、配当利回りを考慮するか否かの差しかない」と書かれていた。これの意味するところは?
前者では成長率をPERで割っていて、後者ではPERを成長率で割っている。要するに逆数の関係なのだが、分母と分子が異なるということは何を意味しているのだろうか。
その答えに行く前に、式に使われている項目について確認する。
PERは株価をEPSで割ったもの(PER=株価÷EPS)だ。分母に来ているEPSは、純利益を発行株式数で割ったもの(EPS=純利益÷発行株式数)だ。つまりEPSは1株あたり純利益となる。
このEPSは
といった使い方がある。
株価はEPSとPERを掛けたもの(株価=EPS×PER)だ。PER=1のとき、株価=EPSとなる。上場している株式は競争売買なので、売り手から見ると、PER=1よりもPER=2、PER=2よりもPER=3、…とより高値を付けた価格から売っていきたい。買い手からみると、PER=10よりもPER=9、PER=9よりもPER=8、…とより安値で買いたい、といったことになる。
このように、会社の稼ぎ出す利益の何倍まで出せるのか、ということを皆で頭をひねり、売買している。
PERは期待度と言える。何に対する期待かというと、企業の成長性ということになる。リンチ指数もPEGレシオも過去の成長率と期待度を比較し、その度合いを定量的に見ている。
成長率は過去の事実、PERは将来への期待となる。当然、PERは誤っていることがある(その場では正解でも、後になって行き過ぎていたと言われることがある)。つまり、これだけを以って、株価が割安か割高かを判断するのは危険だ。
定量的な視点に加えて、定性的な視点も必要になる。リンチの言葉を借りれば、「成長ストーリ」ということになる。
バリュー投資では、この「定性的な視点」こそが腕の見せ所となり、私が怠ってきたことである。
ではこの視点をどのようにして鍛えるのか。