会社からダイバーシティに関する知見を深める為にDVDが配布された。同僚と鑑賞したが、設定が古くさく苦笑いしてしまうシーンが多々あった。
「育児も仕事も頑張りたいのに、定時で帰るから課長が仕事を割り当ててくれない…」
という女性社員のケースや
「どうせ僕はゆとり世代ですから…」
とへそを曲げる新人に対して
「なに甘えてんだこいつら?」
と白けてしまった。さらに、課長が女性社員に仕事を割り当てない理由も
「あいつは定時で帰るからこの仕事は荷が重すぎる」
という始末。
「残業を前提に仕事を割り振るんじゃねぇ!」
という突っ込みを心の中で入れた。
ビデオの結末は、みんなで和気あいあいと新商品の開発会議をして
「色々な人がいるから色々な視点からアイディアが出てくる。これが我々の強みだ!」
と課長が心の中でつぶやいたシーンで終わった。まぁそうなんだけど…結局問題は解決してないんじゃ…
このビデオの突っ込みどころはたくさんあったが、主なものは以下の通りだった。
・子育てと仕事を両立 するなら、それ相応の覚悟をしろ!
・定時で帰って仕事を貰えないだと?原因はもっと違うところにあるんじゃないのか?
・仕事は貰うものではなくて奪うものじゃないのか?自律性、自主性は?
・残業を前提とした仕事のふりかたっておかしいだろ。
・結局、悩みは解決したの?
「子育てと仕事の両立」や「介護と仕事の両立」といった、「○○と仕事の両立」という言葉をよく耳に目にする。
どちらも頑張りたいと思う気持ちは立派なものだが、「部活と勉強の両立」と同じ気持ちでは絶対に達成できない。結局はどちらかを犠牲にしなければならない。
仕事を犠牲にすれば昇進や昇格は諦めざるを得ないだろう。しかし、子供とむきあう時間や介護に注力することができる。
人生は選択と集中の連続である。あれもこれもが通用するのはせいぜい大学生くらいまでだろう。どちらも両立できる人もいるかもしれないが、そういう人は稀であり、凡百の我々には到底できないこととわきまえる必要がある。どこかで妥協、折り合いを付ける必要がある。
それを
「定時で帰っているから仕事が貰えない…」
などと言ったところで何の解決にもならない。課長が「残業する奴=仕事のできる奴」という風に評価をしているのであれば、それを受け入れて仕事を諦めて子育てを堂々と頑張れば良い。もしくは異動願いを出せば良い。異動がいやなら課長よりも権限のある人に直訴すれば良い。
また、ビデオで一番腹が立ったのは、どいつもこいつも不満を言うだけで、適当な理由を探すだけで、何も改善しようと行動を起こさない事だ。
「定時で帰っているから…」「派遣だから…」「どうせ俺はゆとり世代だから…」
行動しないで適当にそれっぽい理由をつけて他人のせいにするのが大人のすることか?
周りを変えたり自分を変えたりする努力から逃げている奴が何を言おうと、社会はそんな奴にかまっている余裕は無い。